昔は、遠近両用のレンズがついたメガネは、メガネのレンズ部分下方に遠視用レンズの線が入っていて、格好悪いと思っていたが、最近はそのレンズの線が無いものが出てきて、それほど格好は悪くない。
しかし、やはり位置をずらして見たり、結局わずらわしいことに変わりない。
ところが、最近コンタクトレンズギャラリーで「遠近両用コンタクトレンズ」なるものを発見した。
あんな小さなレンズで果たして遠近両用が可能なのかと不思議に思ったが、解説を読むと遠近両用めがねのように中央部分が近眼用で、下の部分が老眼用というのではなくて、レンズの中央部分が近眼用で、その周囲が老眼用になっているということだった。
これはなかなか優れものである。
そのしくみをかいつまんでお話しすると、このレンズは、中心部に近用部、その周りに薄くリング状に移行部があり、そしてさらにその周りに遠用部という構造になっている。
遠くを見る時には黒眼の中に、近用部と遠用部が一緒に入るようにデザインされているため、両方の映像が見える。
しかしながら、人の脳はピントがあった映像だけを認識するため、遠くを見る際はピントのあった遠くの映像がクリアに見える。
また、その逆で、近くを見る場合には、中心部の近用部を通ってピントのあった近くの映像の方がクリアに見える。
つまりは、人間の目のフォーカス機能と脳が像を認識するしくみをうまく利用しているのである。
ちなみにこの逆の構造、すなわち遠視用を中央部に、近視用を周辺部に配置した構造になっているものもあるが、理論は同じである。
問題はお値段であるが、最近は使い捨ての「遠近両用コンタクトレンズ」も出てきており、4千円代からあるのでご安心あれ。
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乱視用 コンタクトレンズ
これまで、乱視の人がコンタクトレンズをする場合は、ソフトコンタクトレンズよりもハードコンタクトレンズの方が良いとされてきました。
というのは、ハードコンタクトレンズはレンズの特性上、乱視の矯正効果を持っていたからです。
乱視の強い人がハードコンタクトレンズを装用するとコンタクトレンズと角膜の間に涙のレンズ(ティアレンズ)が出来ます。
これが自然に乱視を打ち消す効果があるのです。
しかし、乱視に効果があるのは、角膜直乱視と呼ばれる一般に多い乱視の種類だけで、それ以外の倒乱視や水晶体乱視という種類だとティアレンズが益々乱視を強めてしまい、ハードコンタクトレンズでは良い視力を得ることが出来ないことがありました。
これら、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの弱点を克服し、ソフトコンタクトでも乱視に対応できるものが最近普及してきています。
このような乱視対応のソフトコンタクトレンズをソフトトーリックレンズと呼びます。
乱視の人は、ラグビーボールのような形をしていて、縦と横の焦点が合わないため、何重にも見える状態になります。
トーリックレンズの曲面は、このラグビーボールの曲面のような眼球に合わせて、一方向とそれに直交する方向の曲率半径が異なります。
そのため乱視の人もよく見えるようになります。
しかし通常のコンタクトレンズは、まばたきのたびに目の上でくるくる回転してしまいます。
そこで最近のコンタクトレンズはASD(Accelerated Stabilization Design)を採用し、レンズの上下を薄く、左右に適度な厚みを持たせて、レンズが固定するのを助けています。
このような改良のおかげで、乱視の人でもソフトタイプのコンタクトレンズをつけることができるようになりました。
ソフトは装着に違和感は少ないために、装用しやすいメリットがあります。
乱視は眼科医の検査と診断をうけ、正しい乱視矯正を行ってください。
乱視の方向は人それぞれに違いうので、乱視の矯正では、乱視の方向とレンズの角度を一致させることが大変重要です。